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日本小児科医会国際部   

活動報告report

ベトナム

ベトナムにおける小児心臓病診療支援活動

【はじめに】
  日本小児科医会国際部では、NGO「ベトナムの子どもたちを支援する会」と協力し、1999年よりベトナム、ベンチェ省において心臓病診療支援活動を行ってきた。

【ベンチェ省について】
  ベンチェ省はホーチミン市の南東85kmのメコンデルタに位置する。面積は2315km2、人口は約140万人、平均年収は400US$、省都のベンチェタウンと7つの行政区、160の村から成っている。医療機関としては、村診療所が167所、区病院が7院、省立病院が3院ある。省都であるベンチェタウンにある省立グェンディンチュー病院が省内最大の総合病院で、この病院を拠点とした活動を行ってきた。

【1999年-2006年の活動】
  1999年に小児科医会国際委員であった故西岡先生がこの活動を始められた。1999年から2006年までは心臓病検診とグェンディンチュー病院の小児科医の教育に主眼を置いた活動であった。1999年当時は省内にエコー機器はなく日本から中古のポータブルエコーを借りてベンチェ省に持ち込んで心エコーによる検診を行った。
  2001年にグェンディンチュー病院にカラードプラーが導入され、検診の効率が向上した。7年間(1年はSARSのため中止)に428名の患者を診察した。80%に心臓病がみつかり、心室中隔欠損、ファロー四徴、動脈管開存、肺動脈弁狭窄の順で頻度が高かった。まれに単心室、総肺静脈還流異常、左心低形成症候群、無脾症候群などの複雑心奇形も診断されたが、すべて未手術の状態であった。心臓病が診断されたうち、52%の患者が手術適応ありと判断された。検診に際しては7年間通して同じ小児科医に同席してもらい、心臓病の病歴聴取、診察、胸部レ線、心電図、心エコー、内科的管理、手術適応の判断などの指導を行った。

【2007年-2009年の活動】
  心臓検診を主体とした活動はいったん終了し、省内に7つある区病院を回り、区病院医師、村の診療所の医師を対象に、心エコーなしでも小児心臓病のスクリーニングができることを目的とした講義と実習を行った。具体的には、病歴、身体所見、心不全症状の見方、などの講義、実際の患者さんで聴診の実習などを行った。毎回、20-40名の医師の参加があった。さらに保健所スタッフとともに区内の心臓病の子どもをもつ家庭を訪問し、日常のケアについての指導を行った。
  このスクリーニングを目的とした活動により、心臓病の発見率が向上しグェンディンチュー病院に郡病院から紹介されてくる患者が増加したとベンチェ省保健局から報告があった。

【2011年以降】
2010年は新型インフルエンザの影響で活動は行われなかった。2011年以降は心臓病診療支援に加え、グェンディンチュー病院に新設されたNICUに対する支援も活動に加わった。新生児症例の症例検討会、医師だけでなく看護師も参加し感染対策や循環呼吸管理、新生児のpositioningに関する講義を行った。
郡病院にも心エコーの機械が導入されるようになってきたため、再び郡病院を巡回しで心エコーの講義と実習を行った。

【今後の予定】
  2013年度もNICU、郡病院での心エコーの指導を行う予定である。また、ベンチェ省ではグェンディンチュー病院に併設するかたちで小児病院を建設するプロジェクトが進行中であり、心臓、NICUだけでなく他の分野の専門科も含めた支援を行っていきたい。












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